世界陸上 Ep14
動静脈吻合血管
7月に2022世界陸上競技選手権大会がアメリカのオレゴン州で開催され、20キロ競歩の部で山西利和選手と池田向希選手がワンツーフィニッシュを決めました。
この勝利に動静脈吻合部が貢献していたことを報道で知り驚きました。
【オレゴン世界選手権】1日目 男女20km競歩コメント:山西が日本人初の快挙!2大会連続で金メダル獲得、池田は東京五輪に続き銀メダル!:日本陸上競技連盟公式サイトへは、以下のURLより訪問してください。
https://www.jaaf.or.jp/news/article/16800/
上記サイトの3枚目画像に池田選手の競技中のショットがあります。手をよく見てください。白いモノが巻かれていると思います。
これは、あるメーカーがトップアスリート向けに開発した深部体温高速冷却ツールです。
Episode13「動静脈吻合部が手や足にあり、体温調整をするためにある。」のフレーズを思い出してください。
以下神戸女子大学平田耕造教授の解説です。
動静脈吻合血管は、皮膚では手足の末端、顔の一部だけに存在する特殊な血管だ。手の場合、甲側ではなく、手のひら側にあり、足では足裏と指、顔では耳、まぶた、鼻、唇と、皮膚の薄い末梢に多く、皮膚表面から約1mmと毛細血管より少し深いところに1平方センチ当たり100~600個存在する。拡張したときの直径は毛細血管の約10倍。つまり、流体力学の法則から流れる血流量は1万倍にもなる。一方で、完全に閉じると血流量はゼロになる。
「全身にある毛細血管は細胞に酸素や栄養を運ぶのが役割ですが、動静脈吻合血管にはそうした役割はありません。動静脈吻合血管は体温調節が仕事で、拡張して胴体部分から、熱を奪われやすい末端部分へ熱を運ぶことができるように、末端に多く存在しています。ただし、寒さが強くなると、動静脈吻合血管は収縮して末梢への血流を減らし、そこから熱が逃げるのを防ぎます。脳や心臓など生命維持に必要な体の中心部の温度を保つことを優先するためです」
神戸女子大学 平田耕造教授
競歩の二人は、過酷なレースで深部体温の上昇を手掌の動静脈吻合血管を冷やすことで防いだと言うことです。
私も夏のゴルフで試してみました。
氷嚢を握ってラウンドすると確かにバテませんでした。スコアーは、バテバテでしたが(笑い)
冬のラウンドでは、カイロを握りしめると良いみたいです。
寒がりの人は、試してみてください。
To be continued.