サルトリイバラ Ep90

「これ描いたんですがどう思います?」

Tさんが小さなキャンバスに描いた植物画を見せてくれました。

「絵の事は、よく分かりませんが女性の人物画より、この絵なら治療院に飾りたいですね!」

「ところでこの植物は何ですか?」

「知りません?宝ヶ池に生えていた植物です。」

「名前も知らずに描いたんですか?」

絵をよく見ると何処かで見たような丸い葉っぱでした。

「ツルがあり赤い実がつく植物」を手掛かりに検索してみると見つかりました。

(Googleレンズがまだない時です。)

サルトリイバラと言う名の植物で柏餅の柏の葉の代わりに、この植物の葉で巻く地方もあると書いてありました。

この餅なら食べたことがありました。それで見覚えがあったのです。

和名サルトリイバラの由来は、つる性の茎には棘があることから「これではサル(猿)も思うようには動けない」という意味で、この植物の小枝が絡み合って、鋭い鉤爪(かぎづめ)がたくさんついていて猿が引っ掛かりそうな感じがするので「猿捕り茨(いばら)」の名があるといわれる。また、猟師がサルを捕まえるのにトゲのある丈夫なつるを用いたため、この名がついたという説もある。

ウィキペディア

Tさんからオルゴン療法の往診依頼があったのは、平成26年の1月でした。

1両編成の嵐電にゴトゴト揺られながら太秦広隆寺で下車、ゆるい右カーブの坂を登って行くと、丸い黒縁メガネに髪を後ろで束ねた男性が迎えてくれました。

普通の会社勤めには、見えませんでした。

どちらかと言うとカタカナ職業?デザイナーとか・・・

家の中に通されると玄関から荒れていました。

お母様が脳梗塞で倒れられてから仕事も辞めて、一人で自宅介護されているので家の片づけに手が回らないようでした。

初日は、Tさんの施術だけをしました。

オルゴンリングは、すでに施術用からピンセットなど数点お持ちでした。

現病歴は、慢性十二指腸潰瘍で吐血と下血を繰り返しておられ、他に原因不明の蕁麻疹など介護疲れからくるストレスが大きな要因かと思われました。

足の末梢施療をすると極端に痛がられました。特に第2指、第3指の色が暗褐色で如何にも血流が悪そうで擦ると白く粉が吹きました。

足の第2指には、足の陽明胃経の井穴(せいけつ)である厲兌(れいだ)と言うツボがあります。

消化器系疾患のために反応が出ていたのです。

あまりの痛みで施術が何回も中断しました。

後で本人さんから聞いた話ですがあまりにも痛すぎるので二回目の往診依頼は、やめておこうと思ったそうですがもう一回だけ頼もうと思いなおし、令和2年まで続くことになるのでした。

井穴については、ホームページをご覧ください。https://orgone-kansai-sakura.com/entry50.html

ブログEp24「経穴」Ep25「井穴刺絡」もあわせてお読みください。

To be continued.

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